春を呼ぶのヒメノイエ
花粉がばふんばふん飛んでいますね。春がやってきました。みなさんいかがおすごしですか?
この春が来る少し前、ひらたは相変わらずお芝居を打っておりました。
まるでゆめのようだ 第よん回公演
「マーガレット または、」
ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました!
個人的に、前回のラボの稽古中から「次は絵本作家の話が書きたいな」と思っていたのでマーガレットを産み出せてとても嬉しかったです。
お芝居というものは、誰かが観てくれてやっと存在できると思っています。
登場人物たちも、お客さんの目に触れた時にやっと存在できる。
いくら演出をつけたって、いくら演技プランを考えたって、「役」が初めて産まれるのはお客さんの前なのです。出産前に食事を気をつけたり、タバコをやめたり、つわりがあったり…というのが稽古で、「開演」と同時に毎度産まれるのです。
ああ、我ながらいいな、今度はこういう話を書こう。いままさに自家発電しました。
(写真右・熊谷藍)
少し話させて。
マーガレットは、わたしの気持ちがいっぱいいっぱいに詰まった物語でした。
14歳、漫画家、声優、絶対にそういう職業になるぞと決めていました。将来のことをいっぱいいっぱい考えていました。
16歳、どうやら舞台が最高に面白いと気がつき、劇団四季に入りたいと思いました。しかしバレエも、歌も、愛媛の地元では気軽には習えませんでした。
だけど絶対に舞台がやりたくて、高校は運動もできないのにダンス部に入り、途中から松山までバレエとジャズを習いに毎週一人で早朝に電車に乗って。部活の先輩に「四季なんか入れるわけないよ」って笑われて、ダンス部は朝練もないのに、ひとりで緞帳の下りたステージで踊りや歌を練習してみたりして、家でもどったんばったん踊って近所のひとに笑われて。
できることがない中で、できることを探して、むちゃくちゃ悔しかった。男子を取った取られたで現をぬかしてる同級生が大嫌いでした。
あの頃の怒りと悔しさは今でもわたしの中にあって、地元に帰るたびに思い出します。港から見る綺麗な星空、愛宕山から見る水平線に溶ける夕陽。大好きで大嫌い。だけど愛おしい。
大阪に出て、一日のほとんどをレッスンに費やして、東京に来て、劇団でたくさん舞台に立たせてもらって。わたしはどんどん強くなって、地元に帰るといっきにその「強さ」が砕け散って、弱いわたしが顔をのぞかせる。
そして今、演劇に対して夢中で、頑張れば演劇が作れる今の環境を絶対に手放したくなくて、また昔のわたしのように無我夢中で必死に踊っています。
今のわたし、はマーガレット。地元、わたしを俯瞰で見ているわたしはロマン。16歳のわたしはリア。やっぱり地元が愛おしいわたしが、アオイ。なのかな。はっきりとは私もわかりません。四人ともがわたしの中に存在していて、男はまさに「外からやってきたひと」でした。
そんな風にして、わたしの中のいろんなひとがおしゃべりして、「マーガレット または、」になりました。
わたしも今はもうお客さんのひとりみたいなものなので、わたしなりの解釈です。マーガレット または、が一番刺さってる人間としての。わたしの物語に正しい解はないのです。だれかが見たことのある、何かだと思うので。
春はいつも綺麗です。今年の春も、綺麗に桜が咲いて、卒業があって、出会いがあって、グッバイがあるのでしょう。
あ。そうそう。まるゆめ本公演も、「ギャラリーコンシールからの卒業」でした。最初にまるゆめを担当してくれていたコンシールのスタッフさんが「コンシールからのグッバイと重なって寂しい」と言ってくれて、やっぱりわたしはコンシールが大好きだなとじんわりしました。ラボでは使わせてもらうかんね!って!目指せ、もう少し大きいキャパ。
次回公演はまるゆめ_ラボで3月20日。さっくりとした楽しいのをやる予定です。半分トーク。飲み食いしながらワイワイやりましょう。
まるでゆめのようだ第5回公演は、9月頃を予定しています。年に2回やる!を目標に、ひおき彩乃と、山形からの使者・スタッフじんぼちゃんと頑張って進んで行きます。(彼女のこともそのうち紹介させてください。受付にいた前髪短いお姉さんです。)
ちょっとしゃべりすぎた。またゆめがはじまるまで。グッバイ。