石英の欠片が秘密の証
みなさんは厨二病というやつをこじらせたことはありますか?
「実は自分には秘められた力が宿っていて、この右手は世界を滅ぼしてしまうかもしれない・・・」みたいな妄想や、自作のキャラクターに「闇の騎士シャドウ・ルーベンス」などそれっぽい名前を付けてみたりするものが基本かと思います。
今「ありそう」などと思った方もいらっしゃるかもしれませんが私にそういう厨二病の黒歴史はありません。
無いので闇の騎士の名前もまったく思い浮かびませんでした。
その代わり私が中学でこじらせたものは「長野まゆみ」です。
(あと峰倉かずやをこじらせて廃れたポエムばかり書いてた黒歴史もありますがそれはまた別の機会に)
私は長野まゆみの小説が大好きでした。何故読み始めたのかはもう覚えていません。初期作品はほとんど読んでいます。周りに「私も長野まゆみ好きだよ!」という友人がおらず、好きそうな人もおらず、随分寂しい思いをしたものです。
まず、ページのレイアウトが好きでした。行間がすごく広いんです!
そして表紙もいつも素敵。
少年たちがすこし不思議な世界でちょっと不気味な体験をする、といった話が多く、銀河鉄道の夜のような世界観です。
貝殻のカフスボタン、鉱石ラジヲ、制服のスカァフ、サァチライトに照らされる友人の柔肌・・・など、そんなワードにゾクゾクしていました。私の中の一番「カワイイ!」は多分ここにあります。ディズニープリンセスではなく。笑
長野まゆみをこじらせてからというもの、結晶鉱石やギムナジウムやカフスボタンには今でも目が無い。そして見つけてしまったのです・・・「結晶鉱石育成キット」なるものを!!!
しかも販売しているのは「銀河通信社」さん!!!
「銀河通信社の結晶鉱石育成キット」・・・なんて素晴らしい口触り。そして耳触り。そして文字の可愛さ!!!!たまりません。しかもこのパッケージを見てください!!文字と文字の間を大きく開けてある、黒字の明朝体でシンプルな、少し黄ばんだパッケージ。
はい。完璧ですね?早く手に入れて結晶鉱石を育てたい・・・。
私にとって、これこそが「中学からずっと好きだった先輩」のように甘酸っぱく「その頃書いていたポエム」のように恥ずかしい厨二病かな、と思います。
まあ、今となってはそんな恥ずかしくないんですけどね。厨二病の定義が違うといわれるかもしれませんが、中学の頃一番こじらせていたといえばこれですね。
しばらく読んでないけど、また今度長野まゆみを読んでみようかな。